<須磨 、 明石 、澪標 、蓬生 、関屋 、絵合 、松風 、薄雲 、朝顔 、少女>
罪せられそうな気配を敏感に察し須磨に隠匿した光源氏。須磨到着翌年の春に海辺で光源氏が上巳(3月3日)の禊を行うと天に嵐がおこる。<須磨>
父帝(桐壺帝)の夢告により源氏は須磨を離れ、明石入道がこれを迎え入れる。入道の娘・明石の御方と源氏は関係し、やがて妊娠の兆候があらわれる。一方都では朱雀帝の夢に桐壺帝があらわれ、源氏は無実の旨を告げて叱責する。帝は源氏追放を悔いて勅旨によって帰京を命じる。<明石>
帰京後、源氏は順調に政界に復帰。朱雀帝が退位し冷泉帝が即位する。秋に光源氏は須磨明石の流浪を守護してくれた住吉明神に詣でる。明石の御方もたまたまこれに来合わせていたが再会はできなかった。新帝即位により斎宮が交替し、六条御息所とその娘の斎宮が帰京。間もなく御息所は病死する。<澪標>
源氏逼塞の間、ほかに頼るものとてない末摘花は一途に彼を待ち続けた。帰京した源氏は彼女を訪れ、その純情に心を動かされる。<蓬生>
夫に従って常陸に下っていた空蝉が帰京。石山寺参詣の途次、逢坂の関でその行列に行合わせた源氏は思わず歌の贈答を行う。<関屋>
冷泉帝の後宮を梅壺女御(後の秋好中宮)と弘徽殿女御が争う。そこで、かつての親友であった源氏と頭中将が寄贈形になる。
宮中に絵合が行われることになり、最終的には光源氏が須磨流浪の折の自筆の絵巻が賞賛され、斎宮女御方の勝ちとなった。<絵合>
光源氏は明石の御方に上洛をうながすが、なかなか上洛しない。明石の御形は入道の薦めによりやっと大堰川あたりの別邸へ、そこで姫君とも親子の対面を果たす。<松風>
明石の姫君が源氏の元へ引きとられる。翌年の春、藤壺が薨去する。冷泉帝はふとしたことからみずからの出生の秘密を知ってしまい、実の父である源氏を皇位につけようとするが、源氏はこれを断る。<薄雲>
朝顔の斎院が退下し、光源氏が求婚するが拒み通した。源氏は紫の上に女君たちのことを語ったが、その夜夢に藤壺が現れ、罪が知れたと言って源氏を恨んだ。<朝顔>
葵の上との子・夕霧が元服する。翌々年、源氏の邸宅・六条院が完成。院は四季の町に分けられており、春に紫の上、夏に花散里やその他の人びと、秋は斎宮女御の宿下りの町(このために秋好中宮と呼ばれる)、冬に明石の上が住まいする。<少女>
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